書評 – 理科系の作文技術 「第四章〜第十一章」

理科系の作文技術』の後半を読んだ。前半部分の感想もエントリにしている

後半を読みながら、「これは果たして自分が読むべき本なのだろうか?」と自問するようになった。例えば第五章には次のようなくだりがある。

論文は読者に向けて書くべきもので、著者の思いをみたすために書くものではない。序論は、読者を最短経路で本論に導き入れるようにスーッと書かなければならないのである。モヤモヤや逆茂木は禁物で、著者が迷い歩いた跡などは露いささかもおもてに出すべきでない。

たしかに論文とは、このように書かれるものだと思う。

しかし、自分が書きたい文章が「論文的」かというと、そうではない。僕が文章を書く場所はこのブログであったり、職場の技術共有の資料だったりだ。こういう文章では「自分がどう試行錯誤しつつ、現在の結論にいたったか」という情報も重要だ。

この辺から、自分が対象読者から外れているような気持ちになってしまい、残りの箇所は流し読む感じになってしまった。

それでも、いくつか学べる部分はあったので、メモを残しておく。

段落の作り方

適当に段落を作るのはよくない。一段落は一つのトピックを扱うべきだ。

段落は「トピックセンテンス」とそれを補強する文で構成するべきだと、本書では主張している。トピックセンテンスとは、その段落で主張したい内容を端的に表現する一文だ。多くの場合は段落の最初の一文がトピックセンテンスになる。もし『理科系の作文技術』に忠実なテキストを流し読みするのであれば、各段落の最初の文だけを読んでいけばよい。その行為は「トピックセンテンスを拾い読む」ことと近似だからだ。

書き手の立場としては、トピックセンテンスを中心に段落を組み立てていくことを意識することで、ぐっと読みやすい文章を作れるはずだ。

むずかしい言葉の回避

前半部分の感想に書いたことを再掲する。

できるだけ普通の用語、日常用語を使い、またなるべく短い文で文章を構成する

後半部分でも、表現を変えて同じことが書かれている。

面白いのは「テキストの白さを意識する」というくだりだ。「小難しい漢字ばかりで書かれたテキストでは、印字したときに黒々しくて読みづらい。ひらがなを交えた、適度な白さのテキストの方が読みやすい」というのだ。そういう視点で文章について考えたことはなかった。

まとめ

『理科系の作文技術』は1981年に出版された本にも関わらず、今でも人気の高い本だ。Amazon では今年も続々と新しくレビューが書かれており、今でも読者を獲得し続けていることがわかる。

しかし、理科系の「全ての文章」がこの本の主張の通りに書かれるべきかと聞かれると、首をすぐに縦に振ることは難しい。論文や技術マニュアルを書く立場にないのであれば、エッセンスを汲み取った上で内容を取捨選択をする必要があると思う。

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